こんにちは、オノユウ(@yumaonodera_)です。
「断捨離」というテーマでYouTube発信している人が弁護士から動画削除を命じられたそうです。
【拡散希望】営利目的で「断捨離」の三文字を表示・使用する行為は、「商標権の侵害」及び「不正競争防止法違反」となります。ブログやYouTubeで発信活動している方は、注意して下さい。立派な犯罪行為です。私も、過去にアップロードした動画で該当する動画は全て削除致しました。#断捨離 #商標権
— Minimalist Takeru (@Takechan4807) 2019年6月3日
悪質な場合は、10年以下の懲役、1000万円以下の罰金に課せられます。
— Minimalist Takeru (@Takechan4807) 2019年6月3日
僕が弁護士から求められた対応は、下記の3点です。
・動画タイトルに「断捨離」という表示を用いた,又は動画内容に「断捨離」を用いた動画全てを削除すること。
・動画に付されたハッシュタグ「#断捨離」全てを削除すること。
・今後通知人に無断で「断捨離」という表示を用いた活動を行わないこと。— Minimalist Takeru (@Takechan4807) 2019年6月3日
この一連のツイートが回るうちに尾ひれがつき、ブログ内で断捨離という言葉を削除する人まで出てきました。
私も「ミニマリズム研究所」というサイトを運営していまして、その中で断捨離を取り扱っているので、他人事ではありません。
そこで、「断捨離」の商標がどこまでの範囲なのか、何がOKで、何がNGなのか。
特許検索で調べてみました。
特許検索で調べた結果
下記サイトが特許検索のページになります。
こちらのサイトでキーワードを入力すると、それに該当した特許の一覧が表示されます。
商標が「断捨離」、ステータスが「存続-登録-継続」になっているものに注目します。
それに該当するのが、
No1、No2、No5、No8、No9の五つ。
登録番号をクリックすると、特許の詳細が確認できます。
上から順番に確認していきましょう。
まずはNo1から。
スクロールしていくと、特許の内容が表示されます。
大事なところには赤線をひきました。
まず、「電子出版物の提供」
「断捨離」の名前が入った電子書籍を本人の許可なく、営利目的で誰かに提供するのは違法です。
「書籍の制作」は、そのままの意味です。
「断捨離」というキーワードを用いて、本を制作したり、出版するのはNGと考えられます。
そして、「放送番組の制作」
テレビ番組などはもちろん該当します。
実際、断捨離の商標権に引っかかったことが原因で打ち切りになった番組もあります。

「放送番組の制作における演出」も同様で、放送番組のタイトルやテーマが「断捨離」じゃなくても、放送番組の中で演出として「断捨離」というワードを用いていればNGですよってことだと思います。
ただしここで疑問なのは、個人コンテンツであるYouTubeは、「放送番組」に該当するのか。
正直、線引きが難しいところでもあります。
この点は、もしかすると弁護士によって意見が分かれる点かもしれません。
次に、No2を見ていきます。
「電子出版物」という言葉が出てきました。
No2では、「断捨離」というキーワードを用いて、電子書籍を出版すること、あるいは「note」などのメディアサービスを用いて有料noteを公開することがNGとなっています。
No1では、すでにある断捨離本でレンタルサービスなどをするのが違法、
No2ではそれに加えて断捨離本を自身で制作・出版するのも違法と定義されています。
ただし、ブログなど、無料で読めるウェブメディアについては、電子出版物に含まれないと考えられます。
続いて、No5。
これだけです。
断捨離の名前で生活雑貨を販売するのは違法ですよ、と。
ここは特に気にする点はないでしょう。
次に、No8を見ていきます。
No8からは、商標の範囲がバカバカしいほど広範に及んでいます。
「断捨離」という言葉に対する考案者のこだわりが伺い知れます。
とはいえ、No8ではブログやYouTubeに関する定義はありませんでした。
最後にNo9を見ていきましょう。
まず、「広告業」とは何か。
例えば、掃除グッズなどを販売しようと広告を作った時、そこに「断捨離」という文字が含まれていれば、NGということでしょう。
では、ブログは広告業に含まれるのか。
まあ、ほぼ間違いなく含まれないでしょう。
ブログというのは、広告の発行を主目的としたメディアではないからです。
ブログの目的は記事を読んでもらうこと。
広告業には該当しないと考えられます。
そして「コンピュータデータベースへの情報編集」について。
これが何を意味するのか、私にも分かりません。
個人的には、検索システムなどで、断捨離についての概要を検索できるようにすることだと思っています。
とはいえ、ブログまで商標の範囲が及んでいると主張する弁護士がいてもおかしくはないでしょう。
万が一ブログが商標権に引っかかるとすれば、この部分だと思います。
ここは弁護士によって議論が分かれるポイントだと思います。
まとめ
これまでのポイントを整理します。
- 「断捨離」というキーワードで、書籍や電子書籍や有料noteを公開・出版するのはNG
- 「断捨離」というキーワードで、グッズを販売・レンタルするのはNG
- ブログやYouTubeに断捨離というキーワードを使うのがNGかは、おそらく弁護士によって意見が分かれる
多分、ブログとYouTubeで断捨離というキーワードを使うのはOK
個人的には、ブログやYouTubeで「断捨離」というキーワードを用いるのはOKだと思っています。
見た感じ、あの特許内容だと仮に訴えられても100%相手の主張が通ることはないんじゃないかと。
正直、解釈の違いでどうとも取れるという印象でして、弁護士によって意見が別れると思っています。
というわけで、例の動画差し止めの件は、個人的には不当に思えます。
(法律に詳しい方、よければコメントください。)
従うべきは人ではなく、法律
根拠もなく「お前他人の権利侵害しているから犯罪者になるよ」って言われたら、普通は「は?」ってなると思いますが、
相手が弁護士だとホイホイと従ってしまう人多いですよね。
ただ、勘違いしてはいけないのは、相手はあくまで「人」だということ。
従うべきは「人」ではなく、「法律」です。
相手が弁護士を名乗っているからといって思考停止で従ってしまうのではなく、主張の根拠は何なのかをしっかり精査することが大切です。
「なんか怖いから従っておこう」でも良いですが、、、
ことあるごとに不当な要求に屈したくなければ、まずは自分の目できちんと確かめることが大切です。
大切なのは、考案者への敬意
今回の商標権侵害の件は、賛否両論あると思うのですが、、、
そもそも断捨離提唱者のやましたひでこさんが問題視してるのは、
断捨離が本来の意味とは違う意味で広まることや、
さも自分が考案者であるかのよう振る舞う人の存在だと思います。
自分が提唱した考え方が、本来とは違う意味で広まってしまったら、誰だって悲しい気持ちになるはずです。(ここが本質です)
だからこそ、商標権の意図を正しく理解し、権利者に一定の敬意を払うことが大切だと思います。
私が運営するサイトも、
しっかりと「断捨離」を読んだ上で、考案者が定義した本来の意味の断捨離は「断捨離」として紹介し、
大掃除や片付けは「整理術」として区別して紹介しています。
安易に「断捨離」を使うのではなく、しっかりと意味や定義を調べてから使うことが大切ではないでしょうか。
「断捨離」は今後も使い続けます
私のブログでは、今後も「断捨離」を使い続けます。
理由は、特許の内容を見る限り、「断捨離」というキーワードを用いてブログ記事を書くことが、商標権を侵害しているとは言えないからです。
万が一訴えられた場合は、弁護士か司法書士に相談しつつ、考案者本人と連絡を取るなりして、適切に解決を図っていく方針です。
それでも、もし本当にダメだった場合は、「捨断離」とか「ダンシャリ」とかで商標登録して、フリー公開にします。
というわけで、今回は以上となります。
断捨離について詳しく知りたい方は、下記ページを参考にしてください。

コメント
ここに書いていいのかわかりませんが問題ありましたら削除してください
渦中の削除するように言われた動画は前に見たことありますがいろんな人の受け売りが多く酷いと著作内容を喋ってるだけでした
断捨離についても自己解釈で話していてこれで収入を得る行為(セミナー)は流石に見過ごせなかったのではないかと思います
削除についての告知方法がうまく不当な抗議をされた被害者のように見えます
商標武装で完璧にしたつもりのやました氏もしてやられたってところでしょうね
コメントありがとうございます。
そうだったんですね!
動画は詳しく見ていなかったのですが、セミナーへの誘導は明らかにやり過ぎですね。
もしそうであれば、どちらかと言うと、セミナーの開催が商標に引っかかっていると思います。
多分多くのブログやYouTubeは健全だと思うんですけど、
例の削除に至った動画に関しては悪質だったというところでしょうか。