こんにちは、オノユウ(@yumaonodera_)です。
今回は、近年注目を集めている「多様性」についてのお話。
多様性とは何か、多様性が注目を集める背景、多様性がもたらす社会の変化について、私なりに考察したことをまとめます。
多様性とは何か
多様性とは、色々な種類や傾向があるという意味です。
例えば、
多様性のある人は、自分の価値観だけでなく、異なる価値観を持つ人の意見も聞きます。
多様性のある企業は、日本人だけでなく、外国人も雇います。
多様性のある政党は、意見の異なる人同士でも、同じ政党の一員として受け入れます。
多様性のある社会は、男性のみならず、女性やLGBTの人にも過ごしやすい環境を提供します。
多様性は言い換えれば、異なる性質や価値観に対する「寛容さ」です。
一定以上の寛容さを持った個人や組織は、「多様性がある」ということになります。
多様性が注目を集める背景
近年、「多様性」が注目を集めています。
なぜなのか。
主な理由は下記の3つ。
- SNSの普及
- 労働人口の減少
- 企業間の競争激化
一つずつ解説していきます。
SNSの普及
SNSの普及によって、国籍や人種の違う人やLGBTの人など、様々な人の意見に触れる機会が多くなりました。
それによって、マイノリティへの理解が進み、特に若い世代を中心に、多様な価値観を尊重する人が増えてきたと考えられます。
労働人口の減少
近年、少子高齢化社会によって、労働人口が減少しています。
こうした中で注目されているのが、女性、高齢者、外国人、障害者などの新たな働き手。
労働者不足を解消するため、企業は、多様な働き手に配慮した仕組みづくりが求められています。
企業間の競争激化
企業間の競争が激化し、ニーズの変化が早い昨今では、同質の能力よりも、多様な能力の方が武器になります。
そのため、企業は多様な人材を積極的に受け入れ、時代のニーズに対応していくことが求められています。
多様性がもたらす社会の変化
「多様性」が社会にどんな変化がもたらされるのかについて考察していきます。
企業の競争力強化
多様化は、経営や仕組みの合理化を促します。
現在の企業では、副業禁止、スーツ通勤、電話でやりとり、履歴書は紙でしか受け取らない、
といった非合理的な経営をしている企業も少なくありません。
しかし、価値観が多様化すれば、副業も私服もOKになり、顧客とはメールでやりとりし、履歴書はWebサービスやSNSで送信といった制度が整います。
これは、働きやすさが改善されるほか、経営の合理化にも繋がります。
働きやすく合理的な経営をしている企業には、より多くの人材が応募し、企業はその中から優秀な人材を選考することができます。
結果として、優秀な人材が集まり、企業の競争力が強化されます。
マイノリティに配慮した仕組みが整う
例えば、現在の日本では、男性同士、女性同士が家庭を築くことは禁止されていますが、
結婚のあり方が多様化すれば、男性同士、女性同士の結婚が可能になります。
また現在の日本では、結婚した場合、強制的にどちらか一方の姓に変更しなければいけませんが、
氏名のあり方が多様化すれば、夫婦別姓も選択することができます。
したがって、女性やLGBTにとっても、過ごしやすい社会となるでしょう。
日本の人口が増加する
より大きなスケールとしては、日本の人口が増加すると考えられます。
現在の日本は、多くの欧米諸国やお隣の韓国と比べて、外国人が働ける制度が十分に整っていないとされています。
そのためスキルを身につけると、すぐに日本を出て行ってしまう外国人も多いのです。
しかし、多様な人材を受け入れる体制が整えば、外国人労働者が増加し、結果として日本の人口も増加します。
また、最近では日本の同質性に馴染めず、海外移住をする人も増えています。
しかし、多様な価値観を受け入れる社会になれば、人口流出の流れも緩やかになると考えられます。
多様性を認めない人を多様性の枠組みの中に含めるべきか否か
ここで、疑問が生まれます。
「多様性」という枠組みはどこまでなのか。
言い換えれば、「多様な性質や価値観を受け入れない人を、多様な価値観のうちの一つとして受け入れるべきか否か」です。
多様性には多くのメリットがありますが、多様性を認めない人は一定数いるものです。
例えば、
- 男性同士、女性同士が手を繋いで歩いているのを見ると不愉快な気分になる
- 肌の黒い人が歩いているのを見るだけで不愉快な気分になる
- 自分と意見の違う人を見かけると不愉快になり攻撃したくなる
こういった方々もいるかもしれません。
このように、自分と他者は同じ性質・同じ価値観でないといけないと考える人を、
「それも多様な価値観の一つだよね」と、受け入れるべきでしょうか?
私は多様な価値観を受け入れない人は、多様性の枠組みの中に受け入れるべきではないと考えています。
なぜなら、話し合いが成り立たないからです。
具体的に説明すると下記の通り。
多様性を認める人の考え
- 自分と他者の意見は異なって当然
- 建設的な対話によって、双方が納得するプランを探るべし
多様性を認めない人の考え
- 自分と他者の意見は一致して当然
- 意見が異なった場合、最終的に相手を論破した人の意見が正しい
価値観が対立した際の対処法が根本的に違うので、そもそも親睦も議論も成り立たないのです。
いわば両者は、別々の法律に従い、別々の理念を持ち、別々の言語で話す存在。
多様性を否定する人を、多様性の枠組みの中に入れることは、根本的に不可能なのです。
あらゆるコミュニティは二極化する
今後は、企業、政党、国家など、あらゆるコミュニティは、多様性を認めるグループと、同質性を信奉するグループに二極化されるでしょう。
理由は下記の2つ。
- 多様性を認めるコミュニティは、同質性を求める人が離れていく
- 多様性を認めないコミュニティは、多様性を求める人が離れていく
例えば、
企業が中国人従業員の採用を決めれば、中国人が嫌いな人は不愉快になるので、企業から去っていく。
国がLGBTを認めなければ、LGBTは別の国へと移住する。
と、こういった感じです。
合わなければ、離れていく。
いたってシンプルな話です。
そして、月日が経つごとにこの流れが進み、やがては、多様性を認めるグループとそうでないグループに二極化されるというわけです。
多様性の性質
多様性には二つの性質があります。
多様性があるほど味方が集まりやすい
多様性があるほど味方が集まりやすいというのは、イスラム国とサウジアラビアを比較すれば分かります。
2つのコミュニティを比較すると、下記の通り。
イスラム国
- スンニ派イスラム教徒のテロリスト集団
- シャリーア(イスラム教の聖典コーランを法源とする法律)を施行
- 世界をイスラム法で統治し、最終的にイスラム教徒のみにするのが目標
- アメリカ、フランス、日本をはじめとする自由主義諸国と対立・交戦
サウジアラビア
- スンニ派イスラム教徒の国家
- シャリーア(イスラム教の聖典コーランを法源とする法律)を施行
- 他国と仲良くしつつ、石油売って贅沢できればOK
- アメリカや日本など、少なくとも金持ちの国とは大抵仲が良い
ここで一つ疑問が生まれます。
なぜスンニ派イスラム教徒の集団であるイスラム国は国際社会からテロリストと見なされ、
同じスンニ派イスラム教徒の集団であるサウジアラビアは国家として認められるのか。
どちらもシャリーアを施行しているので、万引きしたら左手を切断されるし、浮気をすれば頭を石打ちして処刑されるか、よくても鞭打ちの刑に処せられます。
また、結婚していない状態でハグしただけでも鞭打ちされるし、それはたとえ妊婦であっても同じです。
イスラム国もサウジアラビアも集団におけるルールにさほど違いはありません。
にも関わらず、多くの国はサウジアラビアを国際社会の一員として認め、イスラム国に対してはテロリスト集団として対立しています。
いったいなぜでしょう?
答えはシンプルです。
イスラム国には多様性がなく、サウジアラビアは多様性があったからです。
イスラム国は世界にイスラム教徒以外が存在することが許せなかった。
だから、国際社会に対して多様性を認めず、同じの価値観を求めた。
結果として、アメリカをはじめとする国際社会から反感を買った。
一方、サウジアラビアは自国の独自性が守られればそれで良かった。
だから、国際社会における多様性を認め、他国と盛んに貿易することにした。
結果として、アメリカをはじめとする国々から、信頼を勝ち取ることに成功した。
つまり、多様性の有無によって、味方の集まりやすさに差が出たというわけです。
このことは、個人や企業でも同じことが言えます。
多様性を認める人は、その分異なる性質の人からも支持を得やすい。
多様性を認める企業は、その分異なる性質の人材も集まりやすい。
したがって、多様性を認めるほど味方が集まりやすく、
同質性を求めれば同じ性質の人間しか集まらず、異なる性質の人間から反感を買いやすいと言えます。
多様性を認めるコミュニティは拡大し、同質性を求めるコミュニティは縮小する
多様性を認めるコミュニティには、多くの参加者が集まります。
例えば、日本が外国人に寛容になれば、外国人が集まるし、女性が過ごしやすい環境を整備すれば、女性が活躍します。
その結果、人口や経済規模が拡大します。
もっと身近な例で例えると、サークルやオンラインサロンなども同じで、多様な意見を認める文化ならその分多くの参加者が集まります。
参加者が集まれば、当然コミュニティの規模も拡大します。
反対に、同質性を求めるコミュニティは縮小します。
もしアメリカが人種を区別し、ヨーロッパ系アメリカ人を優遇する政策をとれば、アフリカ系アメリカ人やヒスパニック(スペイン語を話すアメリカ人)などの人々はアメリカから出ていきます。
その結果、人口が減り、経済規模が縮小します。
また、一つの政党で皆同じ意見を持っている必要があると考え、組織を2つや3つに割るようなことが起きれば、当然党の規模は小さくなります。
つまり、サークル、オンラインサロン、企業、政党、国家など、いかなるコミュニティであれ、多様性を認めるほど規模は拡大し、同質性を求めるほど規模は縮小するというわけです。
多様性を育みつつ、多様性がない人とは離れるべき
時代的に、多様性のある人やコミュニティが有利になりつつあります。
だからこそ、今後は価値観に幅を持たせ、多様性を育むことが大切でしょう。
多様性を育むなら、「読書」と「海外旅行」がおすすめです。
読書で多様性を身につける
多様性を身につけるなら、以下の3冊がおすすめです。
価値観の違う人との接し方、交渉の仕方が学べます。
教養を身につけるのにうってつけの本。合理的な思考が学べます。
無意識の常識や洗脳から解き放たれます。合理的な思考が学べます。
サピエンス全史の続編なので、先にサピエンス全史を読んでおくと理解しやすいです。
海外旅行で多様な価値観を知る
多様な価値観を知るなら、アジア旅行がおすすめです。
例えば、「タイ」や「ミャンマー」など。
東南アジアは日本と異なる文化ですし、距離も近くて、物価も安いので、試しに旅行してみると良いでしょう。
ツアーとかに参加するより、個人で旅行した方が、より異なる価値観と触れる機会が多くなるので、一人旅がおすすめです。
多様性がない人とは離れるべき
もし、多様性のない人と接していてストレスになるようなら、潔く離れましょう。
家族であっても、友人であっても、恋人であっても例外はありません。
多様性のある人と関わる方が、精神面においても気楽ですし、将来性を考えてもメリットがあります。
というわけで、今回はこの辺にしておきます。
今回は「多様性」というテーマで語り尽くしました。
次回もお楽しみに。
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