こんにちは、オノユウ(@yumaonodera_)です。
今回は、若者が日本に希望を持てない理由について解説します。
経済、年金問題、人権問題、安全保障など様々な側面から日本の問題点についてまとめました。
長編記事ですが、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。
若者は日本に希望を持てない?
内閣府が公表した「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」では、日本の若者は日本の将来に対して希望を持てないということが明らかになりました。
まず、社会への満足度を見てみましょう。
諸外国に比べて、日本は「満足」「どちらかといえば満足」の割合が低いことが分かります。
若者は、日本社会に対して満足できていないようです。
さらに、自国の将来への期待値もかなり低いです。
これをみると、「明るい」「どちらかといえば明るい」と答えた人は3割にも満たず、
「暗い」や「どちらかといえば暗い」と答えた人が過半数を占めていることが分かります。
また、日本の若者は、諸外国と比べても、社会や政治に対する無力感を感じています。
なぜ、今の若者は日本の未来に希望を持てないのでしょうか?
若者が日本に希望を持てない理由
原因として考えられるのは、主に6つです。
- 経済の衰退
- 魅力のない労働環境
- 非効率な社会インフラ
- 健康保険や年金への不安
- 対米従属の政策
- 非寛容な社会
一つずつ見ていきましょう。
経済の衰退
昔の日本は景気は右肩上がりで、会社も個人も活気に満ち溢れていました。
高度経済成長期には目覚ましい発展を遂げ、先進国の仲間入りを果たし、バブル経済の時には、ジャパン・アズ・ナンバーワン(「世界の頂点にいるも同然の日本」の意)とも称されました。
さて、今はどうでしょうか?
アメリカなどの先進国にはIT分野で遅れを取り、
電化製品の分野では中国や韓国に追い越され、
優秀な人材は生活コストの低いタイやマレーシアなどの東南アジアに流出している状態です。
なぜこうなってしまったのでしょうか?
それは、日本企業が過去の成功例にしがみつき、変化のチャンスを逃してしまったからです。
かつて「モノづくり」で世界を席巻した日本企業は、今まで徹底してモノづくりにこだわってきました。
アメリカの企業がインターネットの潜在能力に注目し、IT分野でビジネスを起こしている最中も、日本企業は家電製品等の「モノづくり」にこだわりました。
やがて、人件費の安い中国や韓国と電化製品の分野で激突しますが、その時もあくまで従来の「モノづくり」作りにこだわったのです。
当時の日本企業にしてみれば、どれだけ時代が移り変わろうとも、日本企業が外国の企業に負けるはずがないと思っていたのでしょう。
ただ、価格が高く、ガラパゴス化した日本の家電は、東南アジアやアフリカといった潜在需要が高い国においてはシェアを獲得することができませんでした。
その結果、中国や韓国との競争で日本企業は衰退し、ひいては経済全体の衰退へと繋がったのです。
一方、アメリカではGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に代表されるような巨大IT企業が誕生していました。
GAFAの他にも、マイクロソフトやIBMも有名ですよね。
実はこれらのIT企業が提供するネットサービスは、貿易に含まれず、関税がかかりません。
だから、アメリカは貿易で赤字を出しても、IT系の企業ががっぽり稼いでいるので、実は経済は好況だったりします。
アメリカのように車や家電で勝てなかったとしても、IT分野で勝てれば経済は安定します。
ところが日本の場合は、ハード中心の従来のモノづくりにこだわり続けたため、IT分野で遅れをとることとなりました。
そしてIT分野での遅れが、結果として今の経済にも影響を及ぼしているのです。
こういった経済面での衰退が、若者の勤労意欲の低下をもたらしているとも言えます。
魅力のない労働環境
日本は以前と比べて、働く場所としての魅力を失いました。
昔の日本は右肩上がりの経済で、頑張った分出世し、給料も増えます。
それに、働き方の選択肢も今ほど多くはありませんでした。
なので、その頃日本で生まれた人は日本で働く以外に選択肢はほとんどなかったのです。
ところが、今は経済も低迷し、頑張ったところで増えるのは責任ばかり。
一方で、インターネットが発展したおかげで、働き方が多様化し、海外にいながらビジネスをすることも可能になりました。
そのため、わざわざ生活コストの高い日本で働くことにメリットを感じる人は、以前より少なくなってきているのではないでしょうか。
さらに、若者が日本で働く魅力を感じないもう一つの理由として、労働環境が悪いことが挙げられます。
労働環境が悪いのは、文化的な要因もありますが、今特に問題になっているのは人材不足です。
人材不足ゆえに、長時間労働が横行し、その劣悪な労働環境によってさらに人が集まらないという、負のスパイラルに陥っている状態なのです。
なぜ、人材不足になるのかというと、厳しい規制によって、企業が簡単にリストラできないからです。
簡単にリストラできないから、企業はなるべく社員を雇わずにやりくりしようとします。
アメリカやヨーロッパの企業では、労働条件が悪ければ、ストライキが起きますが、
日本にはストライキの文化がないので、人手が少ない中でも我慢して働きます。
社員が我慢して働く結果、人手が少なくてもなんとかなってしまうので、人材不足が放置されてしまうケースが多いのです。
それでも仕事量が一時的に増えた場合などに、足りない労働力はどこでまかなうかというと、派遣社員です。
派遣社員は簡単にリストラできるメリットがあるので、仕事量の変化が激しい業界で人気なのです。
ところが派遣社員を雇うには、派遣会社に仲介料を払う必要があります。
なので、その仲介料の埋め合わせとして、派遣社員は正社員と比べて給料が低く設定されることが多いのです。
その結果、正社員と派遣社員との間で格差が拡大します。
つまり、リストラに対する政府の法規制が、人材不足と格差社会を生み出しているとも言えます。
リストラに対する規制が緩和されれば、働かない社員は天下りポストを用意しなくても、リストラできます。
その結果、企業の経営は合理化され、若い社員を遠慮なく雇うことができるようになります。
さらに、派遣会社を使う必要もなくなるので、正社員と派遣社員の格差も是正されるはずです。
ただ、そこまで踏み切れないのが今の日本政府なのです。
あくまで日本型雇用にこだわり続けるのは、過去の成功体験にすがり続ける「おっさん政治」を象徴しているとも言えます。
非効率な社会インフラ
日本の行政や社会インフラは、他先進国と比べても非効率で、不便と言えます。
例えば、北欧のエストニアでは、15歳以上の国民に電子IDを義務化しており、行政サービスのほぼすべてが電子認証と電子署名で完結します(紙での手続きが必要なのは、結婚・離婚・不動産売却のみとのこと)。
ところが、日本の市役所では、ペーパーレスはほとんど進んでおらず、いまだに手続きの大部分を紙で行う必要があります。
本人が書いたという証明はいまだに「ハンコ」です。
ハンコを本人が押したという証明は、いったいどうやってするのか疑問ですよね。
また、キャッシュレス化でも日本は出遅れています。
例えば、韓国のキャッシュレス比率は96%、中国は60%以上であるのに対し、日本では20%程度にとどまっています。
こうした行政面、社会インフラ面での遅れが、日本に対して住みづらさを感じる要因なのかもしれません。
健康保険や年金への不安
健康保険料や年金は時代とともに、どんどん増え続けています。
昭和22年には3.6%だった健康保険料率は、現在では10%に。
さらにそれに加え、介護保険料として1.73%がかかります。
また、年金に関しては受給年齢の引き上げも検討されています。
払った額に対して、将来もらえる額が少なくなる可能性があるということです。
これからの年金制度を支えるのは、もちろん働き盛りの若者達ですが、
今日本は少子高齢化社会といって、一人の高齢者に対して、若者が負担する割合はますます増えています。
こうした状況の中、政府が出した答えは、増税によって健康保険や年金制度をなんとか維持すること。
これでは根本的な解決にはなっていません。
本来は社会状況に応じて年金や健康保険といった福祉制度は変わっていくべきであり、今は抜本的な見直しが必要とされている状況です。
にも関わらず、高齢者を優遇し、昔の制度の維持にこだわる政府の体質に、今の若者は失望しているのではないでしょうか。
対米従属の政策
日本の政治や経済は常にアメリカに左右されてきました。
例えば、日本には「在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)」といって、在日米軍に対して、駐留費を負担することが義務づけられています。
その額は毎年2000億円とも言われています。
財源はもちろん私たちの税金です。
米軍の駐留費と言ってもその内訳は多岐にわたり、ジムやバー、ボウリング場や映画館などの娯楽施設で働く従業員の給料、そこに住む家族の光熱費までもが含まれているのです。
例えば、基地で働くアメリカ人が、自宅の電気やエアコンを一年中つけっぱなしだとしても、全て日本人の税金でまかなわなければならないのです。
沖縄だって、ハワイやシンガポールのような観光都市にできるのに、軍艦島のような状態になっているのはなぜでしょうか?
それは中国を封じ込めるために沖縄を前線基地として活用するというアメリカの戦略があるからです。
本来は基地を分散して良いはずなのに、沖縄に軍の基地の7割を集中させているのはこのため。
しかし、日本政府はアメリカに対して強く意見を主張することはできません。
なぜなら、戦後、アメリカの戦略によって、日本は経済面でも軍事面でも大きくアメリカに依存してしまっているからです。
それでも、今の日本政府は対米同盟を重視する考えで、大胆な多国間協調の政策はありません。
このように日本の構造的な脆さが、今の若者が日本の将来に対して不安を抱く要因の一つでもあると思います。
非寛容な社会
特に家族のあり方、結婚に対する考え方が、諸外国と比べても非寛容と言えます。
日本では、結婚する際に、どちらか一方が名字を変えなければ結婚が認められません。
これが理由で、事実婚(法律上は未婚だが結婚したこととすること)を選択する人も多いです。
ですが、事実婚では配偶者控除が受けられなかったり、相続に関する問題もあります。
現在、夫婦別氏を認めず夫婦同氏を法で規定している国家は、日本のみです。
国際連合で1979年に採択された「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」では、選択的夫婦別氏の導入が要求されているにも関わらず、40年経った今でも法改正は進んでいないのです。
日本が他国と比べて、異様な社会であることは言うまでもありません。
さらにLGBTに対しても非寛容です。
電通ダイバーシティ・ラボが7万人を対象に行った調査によれば、LGBTは日本の人口の7.6%にあたると言われています。
この割合からすると、LGBTの人口は約940万人程度いることが推定されます。
それでも、日本では男性同士、女性同士の結婚は認められていません。
約940万人の人権問題を抱えているにも関わらず、いまだにLGBTの結婚が認められないのは、寛容性・合理性を欠いた社会と言えます。
こうした非寛容な社会が放置されるのは、夫婦同姓、LGBTへの差別が日本の美しき伝統だと勘違いしている人が多いからに他なりません。
こういった背景が、若者やマイノリティが日本での生きづらさを感じる要因とも言えます。
日本はディストピア?
じゃあ「こういった日本の状況は変わるのか」と言われると、私の見解としては「当分は変わらない」と思います。
というのも今の日本は、実質一党独裁社会であるとも言えるからです。
与党が席数を背景に、都合の悪い事実を隠して政策をゴリ押しするのももちろん問題ですが、
個人的には、野党の体質の方がより問題であると思っています。
先日、桜田大臣が衆議院予算委員会に2分遅刻した問題で、野党は審議を拒否し、5時間の間審議がストップしました。
統計学の専門家によると、この5時間で少なく見積もっても1000万円ほどの税金が無駄に浪費されたとのことです。
行き過ぎたパフォーマンスなので、当然野党は批判を買いますよね。
しかし、そこで私は思ったのです。
この事態すら、野党の狙い通りだったのではないかと。
野党は本当は政権を取るつもりはなく、与党の支持率アップに貢献しつつも、
派手なパフォーマンスで与党を批判し、貧困層やマイノリティのガス抜き政党としての役割を果たす。
そうすれば、野党議員は働かずに一定の支持を得ることができます。
あとは適当にヤジを飛ばすだけで、高額の給料がもらえるのです。
もしそうだとしたら、今の日本は、強力な一党と多数のガス抜き政党からなる独裁社会ではないかと思うのです。
独裁社会の場合、政治は硬直し、少数派の意見が聞き入れられることはありません。
今の日本は「ディストピア」とも言えるのではないでしょうか。
若者が準備すべきこと
結論を言うと、日本の未来は暗いと思います。
具体的に言えば、2020年のオリンピック景気以降、徐々に下降路線に向かっていくでしょう。
だからこそ、私の出した答えは「海外移住」です。
国が傾くときに、いつでも環境をチェンジできるよう、個人で稼ぐ力を身につけておくべきです。
具体的には、ブログ、YouTube、プログラミング、デザイン等、インターネットを用いて稼ぐスキルです。
ネットで稼げるようになると、場所に縛られず好きな環境で働くことができます。
会社員として働きたいという方は、リモートワークという選択肢もありますし、海外にある日本法人に現地就職するという手もあります。
いずれにしても、ネットで稼ぐ力がつけば、国の政治や経済に左右されず、好きな環境で働くことができます。
今の時代「日本で暮らす」というのは、数多くある選択肢のうちの一つのオプションに過ぎません。
自分に合った国を見つけて住むというのが、ベストではないでしょうか。
良ければ下記記事もどうぞ。
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