就活ルール廃止で日本の遅れは10年分取り返せる

オピニオン
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こんにちは、オノユウ(@yumaonodera_)です。

経団連の会長が就活ルール廃止に言及しましたけど、皆さんご存知ですか?

これ、めちゃくちゃ大きな事態です。

もし就活ルール廃止されれば日本の歴史は10年分は先に進みますから。

就活ルールが新卒一括採用を促している

事の発端は9月3日に開かれた経団連の記者会見。

経団連の中西宏明会長は就職活動の時期などを定めた「就活ルール」の廃止に言及しました。

「経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある」

多分周りで聞いていた人、結構驚いたんじゃないんですかね。

 

今まで就活のルールというのは経団連という簡単にいえば大企業の連合みたいな組織が決めていました。

わかりやすい例でいうと採用活動の時期など。

経団連に加入している大企業などはこれまで経団連のルールで決められた時期でないと採用活動できなかったのです。

だからみんな同じ時期に採用活動を始める。

そして経団連に加入していない中小企業とかは、だいたいが大企業が本格的に採用活動を始める前から採用活動をスタートします。

つまり、就活ルールそのものが採用活動に一定のリズムを与え間接的に新卒一括採用を促しているわけです。

ポイント

  • 経団連が定めた就活ルールが結果として新卒一括採用を助長していた

新卒一括採用にメスを入れる

中西会長は記者会見の中で新卒一括採用や日本型雇用の見直しについても言及しています。

おそらくこちらの方が真意で、就活ルール廃止はあくまでそのアプローチにすぎないでしょう。

そもそも中西会長は以前から新卒一括採用という仕組みに疑問を呈していました。

ソーシャル経済メディア、ニューズピックスの特集で中西会長はこう語っています。

「そもそも、ああいうの、やめたらいいと思うんだけどね。経団連の指針なんか」

NewsPicks さよなら、おっさん社会#8より抜粋

就職の解禁は6月だの、何だの。そういう制約を、なんで経団連が言わなきゃいけないのかと思います。経団連内部だって、実は反対意見のほうが多いんですよ。

NewsPicks さよなら、おっさん社会#8より抜粋

実は以前から経団連内部は就活ルールに反対する意見が多かったようです。

 

また、中西会長は続けてこう語っています。

本当は、就活は、私はこういう仕事がしたい、ああいう仕事がしたいっていう、興味が個人の中で起きたときに、会社を訪ねるというほうが正解じゃないですか。

NewsPicks さよなら、おっさん社会#8より抜粋

つまりみんなが同じ時期に就活することは本来はおかしなことで、本人が就職に興味を持ったときに自由に活動するのが本来自然な形なんじゃないかと。

 

ちなみにアメリカやヨーロッパでは新卒一括採用はないので、学生が休学して世界を旅したり、興味のある企業をインターンしたり、普通に就職したり、色々な選択肢が用意されています。

だから多種多様でグローバルな人材が自然と育ち、企業もグローバルかつ多種多様な文化になります。

 

日本の場合は、新卒で就職しないといけないみたいな風潮があり、大体が卒業した後すぐに就職します。

だから自分のスキルやキャリアがまだ明確になっていない状態で、言ってしまえば見切り発車的に就職してしまう学生が多いです。

 

その結果、日本の企業にはどうしても同じような人材ばかりが集まり、多様性のない企業になってしまう。

だからこそ、女性が昇進しにくかったり副業がNGだったりするなど、古い企業文化が今になっても変わらないのです。

で、今まさに古い体質の日本の企業は世界から遅れを取っているわけです。

中西会長はこの辺りを問題視しています。

ポイント

  • 就活ルールを廃止し新卒一括採用にメスを入れることで、自由な就活を可能にする
  • 多種多様な人材を企業に取り入れることで、企業に多様性をもたらすのが狙い

企業間の採用格差をなくす

就活ルールで以前から問題視されていたのは企業間の採用格差です。

現状のルールでは会社説明会は3月から、面接などの選考活動は6月から、内定日は10月からというように決まっています。

ただこのルールが適用されるのって、経団連に加入している大企業だけなんですよ。

経団連に加入していないベンチャーとかは自由に採用しています。

だから賢い学生はベンチャーとかで早めに内々定とっておいて、

大企業の選考に受かったら、あらかじめとっておいた内々定を破棄して、大企業に就職するというのが一般的なんですが……

これ、めちゃくちゃ効率悪いです。

 

まず、最初から大企業に就職したい学生は早めに動きたいのに動けないから仕方なくベンチャー受けにいくんですよ。

で内定とった後は本命の大企業の就活が待っている。

いや、いつ勉強すればいいんですかねえ……

みんなが同じ時期に就活してるから企業側も学生側もめちゃくちゃ忙しい。

しかも定められた期間に就職できなかった学生は就職浪人としてまた1年間待たなければいけないという……

 

学生も得しない、企業も得しない。

これって本当に愚かな話ですよ。

中西会長は以前から問題だらけだった就活ルールはいっそ撤廃し、どの企業も公平に採用活動できるようにしようじゃないかと考えたわけです。

ポイント

  • 就活ルールは経団連加入企業しか適用されないため、企業間に採用格差が生じていた
  • 就活ルールを撤廃することで企業間の採用格差をなくし公平な採用活動を促すのが狙い

就活ルール、撤廃すると日本はこう変わる

みなさん気になっているのが、「就活ルールを撤廃すると日本はどう変わるの?」ってところだと思うんです。

そこで私が「学生」「企業」「社会」の3つの観点で解説しようと思います。

就活ルールが撤廃され、それに伴い新卒一括採用、日本型雇用の見直しが始まった。

その後の未来の話です。

学生はこう変わる

まず就活ルールの撤廃によって学生にどんな影響が出るか。

まず当たり前ですが就活スタイルが変わります。

以前は、だいたいの学生が、中小企業面接→内定キープ→就活時期スタート→本格的に大企業の面接を受けるって流れでした。

だから簡単にいうと忙しかった。

しかも時期を逃すとまた1年後まで待つ必要があるので、プレッシャーがハンパなかった。

でもこれからは違います。

 

ある学生は、学校を卒業した後も自宅で気のすむまでプログラミングやアプリ開発を勉強をし、自由なタイミングで就活する。

ある学生は、学校を休学し世界中を巡りグローバルな価値観を育んでから就活する。

またある学生は、アメリカの企業でインターンを経験した後、好きな時期に日本に戻り就活する。

もちろん新卒で就活しないとやばいなんて価値観は未来の学生にはないので、就活しないで自分でビジネスを考え起業したり、あるいは家に引きこもって投資をしたりする学生も増えるでしょう。

 

とにかく学生のスキル、価値観、キャリアが多様になります。

価値観の多様化にともなってグローバルな人材が育つでしょう。

政治、芸術、文学などビジネス以外の部分に関心を持つ学生も増えてきます。

これが学生に対する影響です。

企業はこう変わる

次に企業に対する影響です。

まず採用活動が楽になります。

今までは就活ルールで定められた時期に学生が一気に就活し始めるので、採用がとても忙しかった。

 

ところが、これからは企業側が都合のいい時期に採用を始められます。

採用時期を決めずに「随時募集中!」みたいな企業も増えてくるでしょう。

そのほうが学生としても応募しやすいですからね。

特定の時期に学生が密集するという事態がなくなるので、企業としても楽になるでしょう。

 

前記で学生のスキル、価値観、キャリアが多様化すると言いました。

多様な学生を受け入れた企業の文化も徐々に新しくなり、時代遅れの企業文化は一新されます。

例えば、英語ができる社員が増えたり、外国の情勢に詳しい社員が増えたり……

また、育児休暇や昇進制度も整い、男女ともに働きやすい企業文化になります。

年功序列ではなく実力主義の企業文化になり、世界の競争でも渡し合っていける企業が増えていくでしょう。

社会はこう変わる

若者を中心に価値観が多様化します。

そして物言う若者が増えるでしょう。

多様な価値観を育んだ若者は、政治、経済、芸術、文学など色々な分野で議論が交わし、時に共感し合い、時に批判し合いながら新しい文化を育むことでしょう。

周囲にいる中年以降の世代も今まで凝り固まった考え方がほぐされ、多様な考えを受け入れるようになります。

 

世界ではもはや当たり前になりつつある夫婦別姓を推進する声も増えるでしょう。

ベーシックインカムについて関心を抱く人も増えるでしょう。

要するに考え方が柔らかくなるんです。

時代遅れの体質や考え方を見直す声が高まり、今まで世界では当たり前だったことが日本で次々と受け入れられます。

ポイント

  • 就活ルール撤廃によって、若者のスキル、価値観、キャリアが多様化
  • 企業はもちろん社会全般で時代遅れの古い体質、考え方が見直される

一方で就活ルール撤廃を問題視する声も

これは主に大学の意見です。

「就活の前倒しは学業の妨げになるのでは?」

「度重なるルール変更は関係者を混乱させる」

ただ、こういった意見には様々なツッコミどころがあります。

むしろ就活を前倒しするから学業に専念できる

まず、就活前倒しは学業の妨げになるという意見について。

就活ルールが撤廃され、いつでも就活できるようになると学生は好きな時期に勉強し、好きな時期に就活できるようになります。

そうするとさっさと就活を終わらせてから、スッキリした状態で学業に専念することも可能になるわけです。

自分の好きな時に就活できるんだから、短い期間に必死こいて就活するよりよっぽど精神衛生的にいいですよね。

大学が改革に消極的でどうする

次に、度重なるルール変更は関係者を混乱させるという意見。

この意見には正直あきれます。

「学び」の力によって社会に新しい価値観をもたらし人間文化を進歩させるはずの大学が、

こういった改革に消極的なのは、日本の大学の劣化を象徴しているといえます。

 

たとえ、ルール変更で混乱を招こうと、結果的に良い影響を及ぼすことなら積極的に推進すべきなんです。

人間はそうやって新しいことに臆することなく挑戦してきたからこそ、新しい文化をたえず生み出し、文明を進歩させていったのです。

その中心的な役割を担っているのが、現代では他でもなく「大学」なんです。

むしろ積極的に後押ししたり、時代の変化を感じて大学側も改革を推進すべきでしょう。

大学側は改革の流れを止めるのではなく、改革を推進していく責任をしっかり感じてほしいものです。

ポイント

  • 大学は改革の流れを止めてはならない。推進していく責任がある。

まとめ

就活ルールの話でしたが実は結構大きなテーマだったんです。

就活ルールが撤廃され学生が自由な時期に就活できるようになり、それに伴い新卒一括採用、日本型雇用の見直しがされると、

結果的に社会全般がアップデートされるよってお話でした。

 

今の日本の価値観、考え方は正直言って時代遅れです。

世界からだいぶ遅れをとっている。

ですが就活ルールが見直されれば、結果的に10年分の遅れは取り戻せるでしょう。

就活ルールが撤廃され、勢いそのままに新卒一括採用と日本型雇用も見直されることを期待するばかりです。

経団連の本気の改革にこれからも注目です。

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