【書評】『お金2.0』【お金のために働く時代はもう終わる】

書評
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こんにちは、オノユウ(@yumaonodera_)です。

今回は「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」という本について紹介します。

本書は、普段意識することのないお金の本質を知りたい方や、今後の経済のルールに関心がある方におすすめの一冊です。

お金2.0とはどういう本?

本書では、今まで一般庶民には理解しずらかった現在の経済やお金の起源、そのメカニズムをわかりやすく紹介し、

お金や経済がテクノロジーによってどのように変化していっているかを解説しています。

その上で、最後に資本主義の欠点を補った考え方として「価値主義」という枠組みを提案しています。

テクノロジーによって変わるお金のカタチ

近年まで通貨は国によって発行・管理されてきました。

ところが最近はテクノロジーの発達によって、国家だけではなく個人や会社が通貨を発行・管理できるようになりました。

その代表例がちょっと前に話題になった「ビットコイン」ですね。

今はスマホやブロックチェーンなどのテクノロジーを使えば、個人や企業が簡単に通貨を発行して自分なりの経済を作れてしまいます。ブロックチェーンを活用すれば価値を移転する際に発生する利益もネットワーク全体に保存されるため改ざんも困難です。つまり、今目の前で起きているのは「経済そのものの民主化」なのです。

(佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』Kindle版 No.1356より)

なるほど。

儲かりそうだからという理由で仮想通貨の投資をやっていましたが、

実はビットコインの仮想通貨は「経済の民主化」という歴史的な大きな流れのなかで誕生したものだということが分かりました。

 

では、「経済の民主化」によって何が起きるのか。

この疑問に対する著者の考えは以下の通り。

お金そのものには価値がなくなっていき、むしろどのように経済圏を作って回していくかというノウハウこそが重要な時代に変わっていくと考えています。

(佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』Kindle版 No.1379より)

つまり、お金も経済圏もテクノロジーによって自由に作れるようになるから、

どうやって作ったお金を流通させるのかとか、作ったお金を何に利用するのかとか、そういうノウハウが大切になってくるわけですね。

そういう意味では、今後は単に仮想通貨を買うだけの人よりも、

仮想通貨を使ったビジネスモデルをうまく考えられる人に注目が集まりそうだと思いました。

資本主義の問題点

著者は、資本主義の問題点として、お金が実体経済と離れて動くようになっていると指摘します。

世の中に流通しているお金の流れは、9割が「資産経済(金融経済)」で生まれ、

私たちが物を買う時の「消費経済(実体経済)」は1割に過ぎないのだそうです。

資産経済はどんどん拡大を続け、世界中で金融マネーは投資先を探し求めている。

その結果、「金余り現象」が起きていると。

 

投資家のもとで金が余る一方で、「お金にはなりにくい”価値”の存在もあるよね?」と感じる人も多いんじゃないかと著者は言います。

本書では例として、NPOによる社会貢献活動や地方創生のようなプロジェクトを挙げています。

確かにお金にはならないかもしれないけど価値自体はありますよね?

資本主義ではお金の重要性が強調されすぎているために、

お金にならないものはあたかも無価値であるかのような扱いを受けてしまっていると著者は指摘します。

本来は人々が感じる価値があるからこそ、お金が発生するはず。

しかし、今は世の中の人が感じる価値とは関係ないところでお金が増えるようになっている。

ゆえに今はそれに疑問を感じる人が増えていると。

 

さらに、ITなどの新しいテクノロジーが生まれたことで人間が作った概念は変化を余儀なくされると著者は言います。

つまり、今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。

(佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』Kindle版 No.1456より)

テクノロジーの発達によって「感情」や「人気」といった情報が可視化できるようになりました。

ツイッターを例にすると、ツイートに対する感情は「いいね」として、人気は「フォロワー数」として数値化されています。

単純にフォロワー数が多いユーザーは影響力があるため、その人がある商品の紹介をするだけでその商品が売れ行きが伸びるなど、その人の発言自体が価値を持っています。

 

でも、資本主義では「いいね」や「フォロワー数」や「サービスの利用者数」などはお金にならないので価値として見なされません。

つまり、資本主義上のお金というものが現実世界を正しく認識・評価できなくなっていると指摘されています。

その上で著者は、今後「資本」ではなくお金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくと予想。

この流れを「価値主義」と呼び、資本主義に代わる考え方として解説しています。

ベーシックインカム普及後のお金

また、本書では最近注目を集めている「ベーシックインカム」についても触れています。

今後はAIなどのテクノロジーによって大半の労働は機械化され、結果として大半の人が失業するんだそう。

機械の方が安価で効率的だから当然ですよね。

そこで、ベーシックインカムの導入を考える国が増えてくると著者は言います。

 

ベーシックインカムとは生活するための必要最低限のお金を国民全員に支給する仕組みです。

もっとわかりやすく言えば、生活保護のような社会保障を全国民に適用するようなもの。

著者はベーシックインカム普及後の人間は今とは全く違った生き方をするようになるかもしれないと言います。

働いてお金を稼がなくても生きていくことができるとしたら、お金を大量に持っていても今ほど羨ましいと思われることもなくなります。そうするとお金を稼げることが大きな強みでななくなってしまい、お金を稼ぐこと能力も今ほどの価値はなくなります。

(佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』Kindle版 No.1790より)

ベーシックインカムが普及すれば、お金に対する価値観は大きく変わるという著者の主張は自分としても納得でした。

価値主義に基づく働き方とは

価値主義の世界では就職や転職に対する考え方も大きく変わり、

この先は「自分の価値を高めておけば何とでもなる」世界が実現しつつあると著者は言います。

個人が自分の価値を利益に換えて生きていける環境はもはや整備されつつあり、本当に価値を提供できる人は会社に属して働く必然性が消えてきています。むしろ彼らにとっては、会社とは自分の価値を発揮する、たくさんあるうちの1つのチャンネルになっていきます。

(佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』Kindle版 No.2204より)

 

そこで重要になってくるのが「個人の価値」

個人の価値さえ高めておけば、俺をお金に変換することもできますし、お金以外の他の価値にも変換することができます。

(佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』Kindle版 No.2210より)

たしかにもっともな意見だと思いました。

 

最近では、ユーチューバーの「ヒカキン」さんやブロガーの「イケダハヤト」さんなど、個人の価値を武器にお金を稼いだり活動したりしている人が増えてきています。

今後は、企業に雇われずに個人の価値によってお金を稼ぐ生き方がどんどん注目を集めていくんだなと改めて思いました。

まとめ

本書が示したのは、お金から解放される生き方ではなく、新しい経済の仕組みです。

「仮想通貨」「フィンテック」「シェアリングエコノミー」「評価経済」……

これらは一見バラバラな概念に見えるので、それぞれ別々に考えてしまいがちですが、

本書を読んだことで、それぞれがどういった流れで誕生し、どういった関わりを持っているのかが分かりました。

 

「お金と経済の解説書」というと難しく聞こえそうですが、

本書ではそれが身近な例を用いてわかりやすく解説されているので、一般人でも手に取りやすい一冊です。

普段意識して考えることのない「お金」や「価値」とは何なのかをあらためて考えるきっかけになります。

内容も濃くて久々に面白い本でした。

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